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東急の荏原町駅から北へ通りを徒歩約３分ほど。実は荏原町の１つ手前の中延駅から５分ほど。なんや、近すぎるんちゃうん、駅どうし。とにかく、どちらからでも余裕の徒歩圏内。民家の間から四角い煙突に「健康ランド」の文字が見える。近づくと、マンションの前面に横長に張りだした建物、中央にガラス戸のきれいな造り、そのガラス戸には「黒湯の温泉」なる手書きの貼り紙。ややや、思いもせずに黒湯に遭遇。こりゃ、ありがたいこっちゃ。 自動ドアを入ると、横長の下足場。正面にスケルトンの下足箱。そして下へ降りる階段があり、地下へ。そこにはフロントがあり、ロビーがあるという今風銭湯空間。ロビーにはソファが置かれ、天井からはシャンデリア風の洒落た照明がぶら下がる。壁には南の島の横長大な写真。ちょいとリゾート気分だ。 フロント横から脱衣所へ。こじんまりとした空間、きれいに整えられている。フローリングの床はよく磨かれていて気持ちいい。天井は低めだが、豪華仕立ての照明が。脱衣所入口横手壁と外壁側に脱衣ロッカー。その前には渋い木のベンチが置かれている。おっ、と思ったのは扇風機。壁上に据え付けられたタイプが、５つくらい？だったか、あちらこちらに多数。どれもが使える、これやありがたい。そして新型マッサージ機、浴室入口前にはデジタル体重計。 それでは浴室へ。おおおおお、奥の壁に葛飾北斎富嶽三十六景神奈川沖浪裏モザイクタイル絵ではないか。しかも中央の富士山もしっかり、ちょっと大きめだけど。いや、この絵柄モザイクは初めて見た（と思うんですけど）、立派な銭湯アートだ。そのモザイクタイル絵の中央、間仕切り壁上に、どこかの料亭（だったけ？）の広告。うーむ、このシチュエーションも初めてだ。天井は低めで、中央に向かって、なだらかな傾斜。奥壁に浴室、中央から手前にかけて洗い場のカラン。 洗い場のカラン、間仕切り壁側６つ、外壁側９つ、間の島カラン２列それぞれ両側７つづつのカラン数。奥壁の浴槽、起伏のある特徴のある浴槽デザイン。そこにはブクブクジャワーの超音波気泡系あれこれ。手前側にブクブク気泡、その後ろ側に寝風呂１つ、座り風呂２連、その間に電気風呂。電気風呂の後ろ側は横に広い給湯口があり、お湯がザーザーザー。 そしてお待たせ、黒湯の浴槽が外壁側に別室仕様。とろーりとろけるコーヒー色の湯。透明度は３０センチほどか。肌にすべっとした浴感、湯上り後はしっとりとしたように感じる。無味無臭。その森林浴的室内の壁、三方にそれぞれ絵が描かれており、松、竹、梅鶯付きという絵柄。松竹梅か。こりゃめでたい、おめでたい。黒湯に浸かれることがまず、おめでたい。そういうおめでたい温泉銭湯、まさに下町のオアシスだ。 |