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京都の太秦と言うと、かつては「日本のハリウッド」と呼ばれた映画の街。東映松竹日活大映他、数々の名画迷画が生まれたところ。今でも東映太秦映画村などで知られ、周辺には牧野省三を称えた碑や（なんと神社の中）、「羅生門」の国際賞受賞碑など、往時を偲ばせる記念碑も散見できる。そして嵐電太秦駅南側の商店街も、名前がなんと「大映通り商店街」。 その商店街の通りをずんずん行くと、左手に現れるのが「太秦温泉」。この映画の街にも、やはり銭湯。その建物の外観が少々変わっている。正面入り口が前へ張り出していて、その両脇に壁。張り出した玄関を入ると自転車が置けるくらいのスペースがあり、その中に暖簾がかかる。暖簾は男女それぞれ２枚、扉を開けると中は一つ、こじんまりとした下足場。さらに扉を開けて、番台から脱衣所へと。 すっきりとして広々とした脱衣所。天井には洒落たデザインの照明。中央に長椅子、隅には黄色のプラ籠。そして番台横手には内庭。この内庭がなかなか、きちんと手入れがされていて、松の木に池がある。池の中には大きい金魚が多数。その内庭の前には、椅子やマッサージ器が置かれ、アナログの体重計も。また、浴室入り口上に目をやると、男女にまたがる横長のモザイクタイル絵。筏での川下りがデザインされている。 浴室はガラス張りで脱衣所から中がよく見える。こちらも広々、タイルの配色も明るく新しい。入って気づくのは、あれ、椅子が無い？よく見ると先客の方々、みなさん洗い場に直座り。なるほど、これはこれで文化だ。それならそうと、もちろん僕も直座り（というか、他に選択肢無し）。 浴槽設備は、中央、奥、壁側、手前と４箇所にそれぞれ。まず中央、深と浅の主浴槽。奥、超音波気泡風呂ジェット３連の座り風呂と、ぺたんと直座りが1つ。壁側、ブクブク気泡湯とスチームサウナ。手前、脱衣所側に張り出す形で水風呂。この水風呂も、そこからブクブクブクブク気泡付き。 とにかくきれいで清潔感、洗い場のシャワーの使い勝手もよく、快適。さすが入浴客も多い。そして湯上り後、内庭をバックに缶ビール、くぅ〜！たまんない。今風快適さと和風情緒が見事に同居。いい感じですよ、本当に。 |