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東京メトロ千代田線綾瀬駅の東口から南側を東、都道３１４号線を南へ下る。２００メートルほどいった先の信号（たぶん２つ目）を東の辻に入り、延々進むと北側に小学校、その先の信号を南、１つ目辻を東。下町の住宅地の中だが、とりあえず一直線に進めば近くまで辿り着くことができる。そして目印はすこーんとそびえる煙突。近づけば、そこには橘湯さんだ。 正面どどーんと張りだした緑のテント、全面にスペース、奥に建物、正面玄関。その通路の両側に自転車が並ぶ。東京スタイルの短い暖簾、くぐるときれいな下足場、そして自動ドア。中へ入ると、すっきりとしたロビーがあり、正面にフロント。ロビーの端に長椅子などが置かれているが、中央は開けられていて、清潔感があり気持ちがいい。 フロント横から男女それぞれの脱衣所へ。こちらは、昔ながらの造りが残された空間で、懐かしい雰囲気が漂う。天井は高く、所謂格天井ではないが、長方形の格子が組まれている。床はきれいなフローリング。外側のガラス戸の向こう側には、なんと庭。池はないが、樹木や灯篭など整えられており、落ち着いた雰囲気を盛り上げる。そのガラス戸前にはテーブルと木のベンチ、浴室前には自販機とそれを挟んでコイン洗濯機が両側に。間仕切り壁上には、大きなのっぽの古時計、おじいさんの時計。 それでは浴室へ。天井は高く２段式、白色に塗られており、縁は水色だ。壁のタイルには、白タイルにところどころ花のイラスト入り。浴室中央から手前側に洗い場のカラン。間仕切り壁側５つ、外壁側３つ、間の島カラン一列両側６つづつというカラン数。奥の壁側に浴槽が３つ。高温、低温と書かれた浴槽と、その間に１つ浴槽、それぞれ大きめだ。高温風呂には超音波気泡風呂ジェット２連の座り風呂、隣の間の浴槽にはブクブクの気泡湯、高温風呂は仕掛けなしのシンプル浴槽。しかし、３つの浴槽とも湯温はそれほど変わらない・・・熱からずとの感想。 奥正面の壁、下側には魚や鳩などの立体デザインの洒落た造り、そしてその上側には、富士山のペンキ絵だ。２０１０.ナカジマとの署名入り。男湯女湯にそれぞれまたがる富士山で、これぞキング・オブ・銭湯の背景画、とも言うべきデザインだ。この雄大な富士山をバックに浸かる湯船。まさにキング・オブ・銭湯の醍醐味、だ。 昔ながらの造りを生かしながら、さりげなく今風改装をほどこした、きれいで明るい銭湯。快適で爽快感が味わえる。また、お客さん同士もわきあいあい、活気もあり。下町の社交場、まさにそういうことか。 |