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都営三田線の西巣鴨駅から地上へ上がると、中山道と明治通りが交わる西巣鴨の交差点。その北側、首都高速の高架の下、大きな煙突が全身を晒すようにそびえ立つ。その下側には屋号、周りには廃材の山。近づくと、「風呂入口」と矢印が示された看板があり、その示すとおりに進む。すると、廃材の倉庫か作業場のようなところを通り抜け、マンションの入口のような正面玄関前に出た。どうやら裏口から入ってきたようで、表入り口はその前面の先にあった。コンクリ造りの素朴な入口、暖簾をくぐると下足場だ。 引き戸を開けて中へ。番台があり、脱衣所。きれいに整えられた脱衣所で、清潔感が感じられる落ち着いた雰囲気。フローリングの床、天井には小さめの天井型扇風機がぐるぐる周っている。中央に島ロッカー、外壁側に脱衣ロッカー。間仕切壁には大きな鏡。どっしりとした木のベンチがそれぞれ両壁側に置かれている。 浴室へ。おっとびっくり驚いた。なんと、入ったところに岩が組まれていて、ミニの池があるではあーりませんか。そのミニの池の中には金魚が泳いでいるんですよ、これが。小さな灯篭もアクセントになっている。浴室の壁に水槽が埋め込まれているのは見たことがあるが、池がそのまんまあるのは初めてだ。お湯を飛ばし過ぎると池に入らないか、ちょっと心配ではあるが、ほんとにこれはびっくりだ。 そしてその浴室の雰囲気。きれいな石の床、木が前面に出された間仕切壁や洗い場のカランに埋め込まれた木の柱、そして岩が組まれた石造りの奥の浴槽。シックで落ち着いた空間、ちょっとした温泉旅館にいるかのような雰囲気だ。そして奥の壁一面、ペンキ絵だ。男女湯にまたがるペンキ絵、どうやら女湯側に富士山が描かれているようだ。その壁画をバックに設置された浴槽、深と浅の２層。その手前側にはカラン、間仕切壁側７つ、外壁側６つ、間の島カランには３つづつでシャワーは無し。 以上、なんともいえない個性派銭湯。正面玄関への辿り着き方もちょっとしたもの、なんというか秘湯とでもいいましょうか、そうだ、これは東京の秘湯なんだ、というような。いやほんと、秘湯気分が味わえる不思議な銭湯。しかし満足感は大きいぞ。恐るべし、滝野川浴場。行くべし！ |