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ＪＲの高田駅の西口から西へ、国道へ出る手前の細い筋を北へ少々。国道沿いには「ゆ」の看板と矢印が出ていて、３台ほど止められる駐車場が面している。そこから路地へくるっと入り込むと、いい感じの通りにいい感じの銭湯。 いかにもというレトロ外観。民家建物に白壁、庭からは松の木。こじんまりとした玄関口にやたら大きく感じられる暖簾がかかる。暖簾をくぐると下足場、その下足箱が木製のこれまたレアなタイプ、木製の鍵札を上へ引き抜く仕掛け。しかもこの鍵札が大きい。また土間から上がるところの足元には、半分に割った竹を重ねたすのこが置かれている。 引き戸を開けて中へ、番台を通り脱衣所へと。番台対面の間仕切壁上には、神棚が置かれて、きちんと灯りを付けて祭られていた。天井を見ると白い格子状だが、その格子の間にさらに格子状が組み合わさったようなデザインが施されている。脱衣ロッカーは木製。手前と奥があるが、奥の方が古そう。さらにその奥には「お預かり」と書かれた木製の棚。中央には木製テーブルを囲むように木製ベンチと丸椅子。内庭もあり、灯籠などの和風アイテム。 そして浴室へ。こちらも予想通りシンプルに、深と浅の浴槽が２つ。浅はけっこう広めで、横手に軽い段がついており、また超音波気泡ジェットが１つ出ている。洗い場周りにはオリエント風タイルやオレンジ色のタイルが施されいて、少々カラフルなデザインとなっている。 こじんまりとした昔ながらの銭湯で、脱衣所の木製ベンチに座っていると、つい時間を忘れてしまい、ついでに時代も忘れてしまいそうになる。まあそれでもいいや、と思えることの幸せさ。また想い出に残る銭湯と1軒、出会うことができました。 |