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東急田園都市線の三軒茶屋駅を地上へ上がると、南北に首都高速が通っている。その高架に沿って東側を南へ下り、世田谷警察署前交差点を東へ、１つ目辻を南へ入って１００メートルほど。通りから引っ込んだどん突きの先に、どどーんんと大きな外観の銭湯。千鳥破風屋根と唐破風屋根の２段重ね、背後には煙突がニョキッと延びる。かっちょいい、伝統的東京銭湯スタイルだ。 正面、暖簾は架かっておらず、入ると下足場。正面に鏡、左右に下足箱。引き戸の上の硝子には、それぞれ「男湯」「女湯」の文字。脱衣所へ入ると、まずは番台。番台上には、恵比寿様と大黒様のお顔。その対面には、白色招き猫が鎮座している。天井は高く、板張り。床はきれいなフローリング。脱衣所中央には何も置かれておらず、がらーんとした空間が、より広く開放感が感じられる。外壁側に脱衣ロッカー、その前面に台所用と思われるようなテーブルが。間仕切り壁には大きな鏡。番台横側には内庭、そこには岩とタンクがある。そして浴室入口前にはアナログ体重計。 それでは浴室へ。おお出ました、奥壁に大きな富士山、ペンキ絵だ。そしてもう１つ、間仕切り壁には山々と湖と島々、そしてまたしても富士山、というタイル絵。銭湯アート２連チャン、富士山も２連チャンだ。天井は高く、開放感抜群。２段式で白色、縁は水色。洗い場のカラン、間仕切り壁側に９つ、外壁側に８つ、間の島カラン１列両側に４つづつ、これがそれぞれ交互に配置されている。なかなかの変り種。浴槽は奥壁側に一直線、深と浅のシンプルなもの。浅は横長で、超音波気泡風呂ジェット３連付き。 伝統的東京銭湯仕様、そして広くて開放的。なにがどうというのではなく、シンプルで懐かしい思いがするこの空間にどっぷり浸る、これが最高だ。幸せとはこういうことをいう、というような。そのとおり。 |