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近鉄の矢田駅から南東、矢田東小学校の北側の道、それほど広くは無いがそこそこ交通量のある通りに面したところ、こじんまりと佇む１軒の銭湯。 屋号が「温泉百萬石」。おおおっと、なんとも印象的な、心惹かれる屋号じゃないですか。なんと言っても、「百萬石」。加賀の前田家を連想するような、気分はまさに大大名。その屋号とともに、心惹かれるその外観。いったい今はいつだっけ？的なレトロ系外観。その素朴な佇まいが、たまらんもんあり。屋号とあいまって、なんともいい感じ×２乗。 暖簾をくぐると、入り口が木の扉、男女それぞれに木製の「男」「女」の札。扉を開けると番台、そして脱衣場。落ち着いた雰囲気の脱衣場、椅子とテーブルの置かれたバックに内庭、けっこうなかなかいい感じ。脱衣ロッカーの下側にはショーケース的に、手工芸品や独楽やらが並べられていて、ちょっとしたアクセント。 さて浴室。シンプル・イズ・ベスト！とかい言いようのない、深、浅、のみ。しかし、床がカラフルなタイルだったりして、それほど古い感じはしない。 なぜか洗い場のカランのところには鏡が無く、横の壁側にずらりと掛かっている。位置が高くて、髭を剃ろうと思うと、立った状態で剃らなければならない。 とにかく、超シンプルなその浴室、ひたすら湯に浸かって、ぼーっとする。まるで自分がその空間に溶け込んでいくような。ほんと、たまらんもんあります。 |