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伊賀上野は忍者の町、とこればかり言っておりますが、他には松尾芭蕉と藤堂家の町でもあるのです。伊賀鉄道の上野市駅前には芭蕉の像があり、駅の北側の上野公園には、上野城と芭蕉記念館と忍者博物館という町の象徴３つが一つの敷地内に集まっているというお得な観光スポット。この地の先人に感謝、の観光資源だ。そんな上野市駅界隈には、いくつかの銭湯もある。駅から最も近いのが丸万温泉だ。 上野市駅から南西。駅南側の通りを西へ進み、２つめ交差点を南へ下る。１００メートルほど行った通りの東側に駐車場があり、「丸万温泉」の文字。ん？と思いよく見ると、隣の石塀に暖簾が掛かっている。間からにょきっと煙突。開店前に前を通ったのだが、玄関が木戸で閉まっていて、通り過ぎるまで銭湯とは気づかず。それくらい周囲に溶け込んで、さりげなく佇んでいる。 石塀が玄関口とくっついているという、これまた珍しい造り。暖簾をくぐると下足場、番号の書かれた木製下足箱が並ぶ。よく見ると、木製の札鍵が、箱によって縦方向だったり斜め方向だったり。これまた珍しい。ガラスの引き戸を開けて中へ。番台があり、脱衣所。番台周りは、あれこれ装飾品が飾られて賑やか。対面上には現役のブラウン管テレビ。天井には３枚羽根の小さめの天井型扇風機がぶら下がる。脱衣所真ん中には長椅子と丸テーブルが置かれている。番台横手端にも椅子。他にはマッサージ器やアナログ体重計、ミッキーマウスのジグソーパズルなどが目に入る。 浴室へ。落ち着いた雰囲気の室内。四角かくかくの浴槽が浴室中央から奥にかけていくつか。中央に浅、深の主浴槽。深は熱めの湯、浅はややぬるめ。隣、壁側に向かって超音波気泡風呂ジェット２連の座り風呂、その隣奥側に薬風呂。超音波気泡風呂の浴槽淵にはミニ造化がひっそりと。反対壁側に洗い場のカランがずらり。カランは８個、そのうちの１つのシャワーはホース付き。奥の壁にはカモメが飛び交うタイルがいくつか。一か所、岩が配されているところがあり、その上に1羽のカモメが泊っている構図、というのが面白い。あれやこれや、けっこう見どころ入りどころの多い銭湯だ。 |