寿湯

【住所】 広島県尾道市栗原東1−10−9
【営業時間】 16:00〜20:00 
定休日】 隔週日・月曜日
【入浴料】 大人¥400  中人¥150  小人¥70
【設備】 深、浅
【最寄り駅】 JR山陽本線尾道駅から徒歩15分



 海があって山があって島があって渡船があって寺があって坂があって商店街があって旧い町並みがあってアートがあって映画のロケ地があってラーメンがあってお好み焼きがある町、尾道。高校生の頃に見た、「時をかける少女」での、坂道の通学風景が思い浮かぶ。その素敵な町、尾道での銭湯巡り。JR尾道駅のすぐ西側の国道184号線に沿って北へ上がっていくと、周辺にいくつか銭湯がある。まずは一番遠い、寿湯を目指す。

 国道と平行している、東側の細い路地。この道をずんたったたーずんたったと北へ北へ。事前情報では、かなりわかりにくい場所にあるとのことだったので、地図にしっかり目印を付けて慎重に歩く。ところが、たぶんこのあたり・・・というところで、案の定、迷ってしまった。うーん困ったな、と思いきや、風呂敷の包みを持たれたおばあさんが。もしやと思い、行かれた方向へ向かってみると、ああ、見つかりましたがな、寿湯。いやこれはわかりづらい、正面まで来ないとわからない。とにかく助かりました。

 さて、そのわかりづらい外観。塀があって、庭があって、庭が樹木や鉢植えの草花で覆われている。そして奥の民家に「ゆ」の暖簾。敷地内には、花に囲まれてひっそりとお地蔵さん。なんとも素晴らしい光景。暖簾をくぐって中へ。タタキがあり番台があり、すぐ目の前には脱衣所。この番台、背がすごく高い。タイムスリップ空間、時代が遡ってしまう脱衣所、床の板張りが気持ちいい。大きな漢数字の書かれた木のロッカー。26番にしか鍵が付いていない。間仕切壁には大きな一枚もの鏡。隅には、しばらく使われていないだろう身長計とアナログ体重計。そして、浴室入り口の木の扉、周りが青く塗られているのが印象的。
 
 そしていよいよ浴室だ。ああ、これまたタイムスリップ、時間遡りまくり。湯煙が立ち込めた、ひっそりとした静かな空間。浴槽は、間仕切壁側に1つ、間に手すりで深と浅に区切られている。浴槽の中には、段が2つ付いている。反対側壁側にカランの洗い場。ここにはきれいな手付きホースのシャワーがついている。ダイヤルのついた少々変わった使い方をする(説明が上手くできません)。その上側には大きな窓、木枠が青く塗られているのがやはり印象的。天井を見上げると、真四角な湯気抜きが目に入る。

 このなんとも言えない空間に、先客も後客もなく、最初から最後まで貸切状態。この素敵な空間を独り占め、そりゃもちろん、うれしいです。ただ、開店してから1時間後くらいの入浴で、これでいいのかいなという思いもかなりあり。しかしそれにしても、この路地裏銭湯、いい時間が過ごせます。また来ることができたら、きっと来ます。末永く続くことを願います。

 

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