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泉北高速鉄道の深井駅から南。府営八田荘住宅をぐるっと回り込むような形で反対側、筋向いのちょっとした通りに、どどーんと大きな外観の銭湯。赤い温泉マークの下側に、青色屋号が印象的。暖簾が入り口の中に掛かっているという珍しいタイプで、遠目で見ると一瞬、閉まっているのか？と勘違いしてしまった。 暖簾をくぐると、広い下足場にほほーっと感心。中へ入る扉のガラス戸には、直接マジックで「男」「女」と手書き。その素朴さが微笑ましい。その扉を開けると番台があり、脱衣所へと。 その脱衣所、あー広いなぁ、広い。面積も広いが、シンプル過ぎるほど物が置かれていなくて、がらーんとした感じで空間が広がる。中央に小さめの机と椅子がいくつか。マッサージ機やアナログ体重計、身長計などは隅にまとめて置かれている。天井を見ると、男女間仕切壁上に２枚羽根の大きな天井型扇風機。レトロな一品に見とれてしまう。 浴室、こちらも当然のように広々と。浴槽も大きく、しかしシンプルに。間仕切壁側に、深と浅、電気風呂。浅内に３人分のもたれられるような区画が造られているが、ジェットは出ていない。壁には海と灯台のモザイクタイル絵。湯舟に身をゆだねながら、ぼーっと見とれる。 とにかく広くて静か。浴室に響き渡るのは、洗面器の触れ合う音。「カラーンコローン」あ、これは鬼太郎の下駄の音か。「カコーンカコーン」が正解。この空間で過ごすこの時間、至福。 |