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東武東上線の上板橋駅の南側、駅前から続く上板南口銀座の商店街を抜けて川越街道を西へ、６００メートルほど行った信号の通りを南へ入ると民家の間から煙突がにょきっと見える。それを目印に近づいていくと、路地の奥にレトロな外観の金乗湯さん発見。通りからは３分の１ほど正面玄関が隠れているが、それがまた絵になる。思わず胸が高鳴るのを感じた。 短い丈の暖簾をくぐり、下足場から引き戸を開けて中へ。番台、そして脱衣所だ。うーん、外観同様、レトロ度たっぷり。天井は折り上げの格天井、床はフローリング。番台の頭上にはブラウン管テレビが現役だ。間仕切り壁側には大きな鏡、並びに冷蔵庫。その上側には、広告がずらり。今でもあるのか？というような逸品で、中には何これ？と気になるものもあり。脱衣ロッカーは壁２面と、中央に島ロッカー。トイレは外側だ。浴室前にはテーブルとイス、その横手に血圧計。反対側にもイス２つが並んでいる。 それでは浴室へと。天井は高く、２段になっているタイプ、薄い青色と縁は青く塗られている。浴室手前に洗い場のカラン、奥に一直線に浴槽。カランの洗い場、両壁とその間に島カラン２列、ただし１列は片面のみ。カラン数は、両側壁は微妙に数が違う６つと５つ、島カランは４つづつ。そして奥壁一直線の浴槽、深の薬風呂と、横長の浅、浅内は超音波ジェット２連の座り風呂とブクブクの気泡湯付き。そして見どころ銭湯アート、背面に富士山のペンキ絵。これはなかなかの迫力、つい見とれてしまう。素晴らしい。 外観、格天井、間仕切壁上の広告、富士山ペンキ絵、とあれこれ特記事項満載のレトロ銭湯。時間の止まり具合に、心地よさを覚える。冷蔵庫には缶ビールもあり、ほろよい加減でこの空気に浸ることもできる。幸せとは、これだ。 |