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阪神の出屋敷駅、北側のロータリーから北へ延びる通り、ふと右側を見ると「出屋敷中商店街」のアーケードが目に入る。反対側まで抜けていくと、阪神尼崎駅からスタートする巨大商店街へと繋がっていくのだが、この細い通り、すでに商店街としての機能はまったく無い。入口付近で数軒の飲食店が営業している程度で、あとは閉鎖された建物が並ぶ。その中で一軒、現役バリバリで営業されている銭湯、宝来湯。まるでこのお風呂屋さんのために商店街があるようだ。 きれいな玄関入口、上側には黄色で屋号、浴槽名ずらずらの縦看板が架かる。暖簾をくぐると、きれな下足場。正面に大きな鏡がどーんと置かれ、足元には大きなスノコが置かれている。引き戸を開けると番台があり、脱衣所。シンプルですっきりとしている。脱衣ロッカー横の壁に目をやると、大きな古い地図が掲げられている。見ると、明治松末〜大正期の尼崎（のどこだったか忘れました）の地図が描かれている。「芋」「芋」と芋畑が広がっているのが印象的。かつての土地の姿をイメージしながら、ちょっと不思議な気分を味わう。 さて、それでは浴室へと足を入れる。おっと、これはこれはこれは。広い、そして多彩な設備。あれやこれや、各種浴槽がずらりと並ぶ。まず中央あたりに深、そして浅、超音波気泡風呂ジェット２連の寝風呂、電気風呂の主浴槽を中心とした浴槽あれこれ。そしてその奥に別室のようになったスペース。そこには露天風呂、その向い側には超音波気泡風呂ジェット２連の座り風呂、打たせ湯。戻って、先ほどの主浴槽の向かい側に、サウナ、水風呂。そしてなんと「スイミングルーム」と名付けられたミニプール！もちろん子供用だろうが、これは子供達は楽しいだろう。親子連れを呼び込むためのアイデア風呂（？）だ。 と、あれこれこれあれ、きれいで楽しい娯楽系銭湯だ。これが役割を終えた商店街の中にあるという、このミスマッチさ加減にびっくりだ（本当に）。商店街の反対側の入口のところには、「宝来湯 十のお風呂」というような看板が掲げられているが、それを見てもなかなか想像ができにくい。サプライズという言葉は、とはこのためにあるのだろう、というような。あれこれ勝手なことを言っておりますが、ようはいい銭湯です。みなさん行きましょう、お勧めします。 |