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大正区を南北に縦断する大正通の南恩加島の交差点を東南、古い住宅と建売の１戸建てが混在する住宅地に、こじんまりとした外観で佇む銭湯。周囲の雰囲気にすっかり溶け込んで、何気にひっそりと建っている。 暖簾をくぐると、下足場の正面に、なぜだかアナログ体重計の上に置かれた鉢植えの一品。置かれているのがアナログ体重計というのが、なんとも微笑ましい。わけも無く、うれしくなったりして。 脱衣場の端の方、映画のポスターがあれこれと張られている。新作が中心のようだが、その中に混じって、なぜか１つだけ「名作ギャラリー」と銘うって額に入ったポスターが。なんと、ビートルズの「ア・ハードデイズ・ナイト」だぁ！ええっ、もしかして御主人の趣味！？とか思いつつ、しかし流れる有線の演歌に思わず鼻歌。なにはともあれ、映画と音楽、その２つが一瞬でも交差する文化的娯楽空間、と言うことで。 さてさて浴室。 湯煙立ち込める浴室内、中央から奥壁側に向かって、どでーんといくつかの浴槽が配置。 まず中央に深、その奥壁側に、浅、超音波気泡風呂ジェット３連、電気風呂。 男女間仕切り側の浅に接する壁には、タイル状になった岩が配されていて、ちょっとした岩風呂気分が味わえる。 しかし、それにしてもビートルズ。家に帰ってから、思わずＣＤ棚から何枚か取り出し聴いてしまいました。今も聴きながらキーボード叩いています。これもひとつの幸せの形。 |