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仕事で国道１５号線、いわゆる第一京浜を車でよく通るのだが、北品川駅の南側１つ目信号で止まり、ふと線路側を見ると、ニョキッと出ている四角柱の煙突が目に入る。そのロケーションのキッチュさ具合から、ずっと気になっていた「吹上湯」。京急線の北品川駅から改札を出て南へ２００メートルほど。第一京浜沿いからだと東の辻へ、東海道品川筋からだと西の辻に入ったところ。マンションの１階に、さりげなく何気なく佇む銭湯。いつも見ている煙突からは、ちょっと意外。 縦にも横にも短い暖簾の架かる引き戸を開けて中へ。下足場、スケルトンの下足箱。正面横手にフロント。奥にささやかながらテーブルとイス。冷蔵庫には缶ビールもあり。フロント横から脱衣所へ。こちらはこじんまりとしたスペースに、どーんと島カランが２つ。壁側に脱衣ロッカーは無い。天井は低く、床はフローリング。足ツボマッサージが珍しいか。浴室入口前に大きなアナログ体重計。間仕切り壁側に洗面台と大きな鏡。浴室入口ガラス戸の上には、スリ硝子で魚やワカメの海底模様。 浴室へと入る。こちらもこじんまりと、シンプルな構成のレイアウト。奥壁側に浴槽、手前側に洗い場のカラン。所狭しとずらりと並ぶ。そのカラン、間仕切り壁側４つ、外壁側６つ、間の島カラン２列両側５つづつというカラン数。間仕切り壁側と外壁側には、すべてホース付きシャワーで、島カラン２列は両側の両端２つづつのみ、なぜかホース付きシャワーという珍しい構図。 奥の壁側に浴槽、シンプルに深と浅。深はブクブクの気泡湯付き、浅は横長で超音波ジェットが２連付き。そしてお湯が、これまた熱い！足だけ浸けて、しばし様子見。少しづつ慣らしながら、ゆっくり浸かる。ああ、熱い・・・とっととあがってしまう軟弱な私。 天井は低めというのはマンション１階というビル型銭湯の宿命か。床には豆タイルがびっしり、という昭和生まれ昭和育ちには馴染みのある光景。そして銭湯アート、奥の壁には海に陸に灯台に、という海好きには哀愁のモザイクタイル絵。間仕切り壁にも一面に、湖に白鳥８羽というモザイクタイル絵。これまた楽しい。 煙突が見えるキッチュなロケーションに誘われて、旧街道筋で出会ったこじんまりとした銭湯。都心で味わえる昭和の香り。やっぱいいすねぇ、お風呂屋さん。 |