 |
ＪＲ東海道線の辻堂駅。その南口を出て、平行する通りを東、商店街というには商店の少ない通り抜けて少し南の辻へ入ったところ。おっとなんですか、ここは。この一画だけが時間に取り残されたかのような。破風屋根の木造建築、玄関口両側には石の塀。そして何よりも驚くのが、玄関口の正面にどどーんと倒れかけているかのように斜めに生えた松の木。塀の両脇からも樹木がニョキッ。なんとも貫録だ。 暖簾は架けられておらず、入ると正面に衝立、硝子の部分には温泉マークのすり硝子。両脇に横に長めの木の下足箱。傘も同時収納できる下足箱、中に開いている穴、なんと外に向かって開いているではありませんか。本日は雨降りでちょうど持っていた傘を入れると、その向こう外側にぶらーんと。なんとも言えんインパクト。 引き戸を開けて中へ。番台、そして脱衣所。これまた時間が 止まったかのような空間、というか止まってしまっている空間。天井は升目の大きめの格天井、少々波打ち。床はフローリング。脱衣所向かい側上にテレビ、その奥壁に大きな黒い柱時計。間仕切り壁側に脱衣ロッカーがあるが、前に物が置かれているうえに鍵が無く、使われていないよう。常連客は脱衣用の丸籠を使用、僕も右へならえ（左にはならわない・・・関係ないけど）。 中央には丸テーブルとイスがいくつか。外壁側には常連用の洗面器などが並ぶ棚、その横手に長イス。番台横手側には内庭、溶岩が組まれて整えられており、大きな石灯籠やタヌキ、そして池に金魚という本格派。浴室入口前にはアナログ体重計。 それでは浴室へと。こちらもまたまた時間が止まっちゃってるよお。天井は２段式、水色に塗られている。そしてびっくり、本当にびっくり、奥壁側にどどーんと積まれて整えらえた、庭風デザイン！岩や溶岩が配され、大きな石灯籠や木、岩の間からお湯が流れ出て前の浴槽に注ぎ込んでいる・・・いやはやなんちゅう立派な造りであることでしょう。感動しました、涙でそう。 洗い場のカラン、間仕切り壁側７つ、島カラン１列目両側４つづつと２列目片側３つ、外壁側３つのシャワー無し。島カラン１列目の上にはミニタイルがびっしり貼られた柱が１つ、そこには縦に蛍光灯が付けらえている。島カラン２列目上には柱が２つ。こんなところに柱は超レアだ。浴槽は奥壁側に２つ、深と浅。深は底から若干のブクブク、浅には超音波気泡ジェット３連付き。湯温は深が熱い・・・熱いです。 とにかく、びっくり驚いたあ、てな仕掛けあれこれの激感動銭湯。いやあ、わたしゃすっかりやられてしまいました。帰宅してからも、この不動湯さんが思い出されて仕方がない。その風情が愉快な面白銭湯。行くっきゃないですよ。 |