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関西空港とりんくうタウンをかかえる大阪は泉南の泉佐野市。その華やかなイメージとは裏腹に、南海の泉佐野駅西側には、のんびりとした昔ながらの街並みが続く。商店街から少し海側の西へ行くと、その町屋の並ぶ細い通りに、「大将軍湯」が。 一目見て、おおおおっ！と、声をあげてしまうような昔ながらの佇まいの外観。千鳥破風の屋根がなんとも貫禄。あまりのインパクトに頭くらくら、まったくもって素晴らしい。そしてその素晴らしすぎる屋号、なぜか暖簾の下に隠れるように、普通の表札に「大将軍湯」。いかめしい屋号とは逆に、なんとも奥ゆかしいこと。 暖簾をくぐると、超こじんまりとした下足場、そして超こじんまりとした脱衣場。その超こじんまりさに置いては、大阪府下屈指の度合い。番台の対面には神棚、その前に大きなボロボロの提灯。 浴室へ。これがまた超シンプルかつ超こじんまりとした一品。当然のごとく、深と浅、２つの浴槽のみ。そして手前に２つ、奥に２つの洗い場。カランのみでシャワーは無い。水のカランは地下水からということで（壁に「地下水」と表記があった）、その配管に直接つながれた蛇口。深の浴槽にも、配管から直接つながれた蛇口から、水がちょろちょろと。 外観、脱衣場、浴室と、そのどれもが１級品のレトロ感。ここはどこ？私は誰？と、瞬間記憶喪失のタイムスリップ状態。しかし、今がいつだろうが、僕が誰だろうが、もうどうでもいいやというような、そういう思いにかられてしまう。いやはや、まったくもって素晴らしい。いつまでも営業続けてくださいね、と切に願う。 |