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海があって山があって島があって渡船があって寺があって坂があって商店街があって旧い町並みがあってアートがあって映画のロケ地があってラーメンがあってお好み焼きがある町、尾道。大学生の頃に見た、「さびしんぼう」での波止場に着く渡船のシーンが思い浮かぶ。そんな素敵な町、尾道での銭湯巡り。お次は、ＪＲ尾道駅の北西、国道１８４号線近くの大栄湯。 ＪＲのガードをくぐって３００ｍほど、国道沿いの西側に、スーパーのサティ。たぶんここらで一番大きなスーパーかな？と思われる。そのサティの筋を西へ少々、通りの北側に何気なく佇んでいるのが大栄湯。大阪や京都でも見かけるような外観のすっきりとした建物で、屋号が右書きになっている。入り口は男女それぞれドア式で、暖簾が２枚掛かっている。入り口横には、男女それぞれ小さめの木のベンチ。 ドアを開けて中へ。外観のすっきり具合とは対照的に、中に入ると尾道的な懐古系レトロ空間だ。下足場、番台、すぐ番台という一体型。下足箱には鍵が無く、ふたを引げて靴を収納。半分下は棚。背の高い番台、板張りの床というのも尾道パターン。番台向かい側には神棚、間仕切壁上には福助人形。数字の書かれた木のロッカー。中央には長椅子。他に、飲料類の冷蔵庫、アナログ体重計、マッサージ機などが並んでいる。 そして浴室へと。引き戸ではなくドア式だ。こじんまりとシンプル、造りは昔ながらの銭湯仕様。しかしきれいで、清潔感の漂う気持ちのいい空間だ。中央に楕円形の浴槽が１つ、深と浅に区切られている。床にはカラフルで細かいタイルがびっしり。 カランは、間仕切壁側は手付きホース付き、反対側は手付きホース無し。天井を見上げると横長で細い湯気抜き。ちょっと珍しいのかなと思われる。 外観とドアを開けたときのギャップが面白く、レトロな脱衣所に、気持ちのいい浴室、こじんまりとした落ち着いた空間、申し分が無い。立地も良く、旅先で出会って一風呂浴びるには最高。しかも、たまたまか貸しきり状態で入れたものでこれが・・・少々複雑な気がしないでもないが、いや気に入りました、いい銭湯です。 |