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近鉄吉野線の下市口駅からすぐ、南側に延びる商店街の通り。その通りをぶらぶら行くと、左手に「総合食品スーパー金魚」という看板のかかった建物があり、その手前の辻を左へ入りすぐ。ブロック塀に囲まれた、木造建築の立派な外観がひっそりと佇む。 正面、玄関上の破風屋根が渋い。塀の中側からは松の木がにょきっと出ており風情を演出。暖簾をくぐると下足場で、さらに扉を開けると番台、脱衣所。しっとりと懐かしい雰囲気の脱衣所、大きな漢数字の書かれた木製ロッカーがたまらなく良い。天井からは三枚羽根の天井扇風機がぶら下る。隅には、大きなアナログ体重計とイス型マッサージ機が並ぶ。浴室前の壁上に、お稲荷さん系を祭っていると思われる神棚。間仕切壁側の木製ロッカーの上には、大きな水槽が置かれていて、これまた大きな金魚が６〜７匹？泳いでおらえる。 浴室へと向かう。正面奥のモザイクタイル絵が目に入る。女神像や古代ギリシアの神殿のような建物、森や池が描かれたデザイン。壁一面に描かれていて、なかなか圧巻。浴室はすっきりとシンプル、床のタイルがシックな感じ。しかし浴槽のの側面は朱色の配色で、少々変わっている。浴槽は２つ、深と浅、浅内は超音波気泡ジェットが２連。浴槽内にランプが付けられていて、赤・青・黄色と色が変化する。眺めていると、なかなかサイケデリックな不思議仕様。 湯上り後、再び脱衣所で時間を過ごす。大阪から電車に揺られて約１時間１０分、そして辿り着いた田舎町での銭湯体験。ほんの少しの日帰り旅行だが、かけがえのない時間を過ごしたように思われる。だから銭湯巡りはやめられません。 |